183:1[saga]
2011/10/16(日) 12:00:27.65 ID:NT8qNy6V0
「…え…?」
そこで始めて気がついた。
その部屋は、倉庫だった。窓も、出口も、隠れる場所も、無い。
これでは逃げ場が無い。袋小路だ。
まどかはもう一つ気がついた。
部屋の奥に、誰かが居る。
箱の上に座る、一人の少女。
少女は手の平の上でグリーフシードを転がし、弄んでいた。
少女が、まどかに気づく。
ゆったりとした動作で立ち上がり、まどかを見る。
まどかにはその少女に見覚えがあった。
全身を包む、白い衣装。
まるで害虫を見るような、鋭く、冷たい瞳。
何かに怒っているかのような、表情。
呼吸を忘れるほどの、威圧感。
「ごきげんよう。鹿目まどか」
その少女は、美国織莉子だった。
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