566:1[saga]
2012/03/04(日) 16:11:17.86 ID:7s5pwasZ0
  
  涙が出てきた。 
  罪を償うことすら許されないのかと絶望した。 
  気がつけば泣いていた。 
  声をあげて泣いていた。 
  涙が枯れ果てて、喉が潰れるほどに泣いていた。 
  
  果てしない時間が過ぎた。 
  未だ泣き続けるまどかの家の戸が叩く者がいた。 
  ほむらだった。 
  ほむらはまどかを抱きしめた。 
  涙を拭った。 
  そして、いつの間にか手に持っていたガラスの靴を差し出しながら、こう言った。 
  
  ----ああ、まどか。このガラスの靴を履いてみてくれないかしら。 
  
  ほむらはまどかにせがんだ。すると、 
  
  ----うん。”わたし”でよければ喜んで。 
  
  まどかはそれに応え、ガラスの靴を受け取り、そして履いた。 
  靴はまどかの足にピッタリだった。 
  
  ----ようやく見つけたわ、まどか。 
  
  ----えへへ。今までごめんね、ほむらちゃん。 
  
  二人は抱き合った。 
  いつまでも、いつまでも、抱き合っていた。 
  
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