118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:06:30.40 ID:wbDVTs5Go
×××は何を言い返せばいいのか分からないような表情でぼんやりと彼を見ていた。
彼にとってはその変化ももうどうでもいいことだ。どうでもいいことだ、と彼は頭の中で繰り返した。
その場を立ち去ってから、しばらくあてどもなく歩く。
どこにもいく必要はない。何もしなくてもいい。つまりそういうことだ。
誰ともすれ違わずに歩いていると、自然と少し前の出来事に記憶が戻っていった。
それをどうにか辿ろうとするが、何かが邪魔して上手くいかない。
どうでもいいか、と彼は思った。どうせ大したことじゃない。
彼はさまざまなことから興味を失った。もうどうでもいいのだ。全部捨ててしまえばいい。それで充分ではないだろうか?
ひとつ溜息をつくと、白く染まった息が真冬の空へと立ち上っていった。それを追いかけて顔を上げたとき、彼は雪が降り始めていることに気付いた。
こういうことだ。
誰がいなくなろうと雪は降るし、世界は回る。何もおかしなことなんてない。
どうせ、みんな必要ない人間なのだ。
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