124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:09:19.14 ID:wbDVTs5Go
とにかく少しずつ方向を正していかなければいけないのだ。
少しずつ。世間から白い目で見られても仕方ない。それはもう自業自得なのだ。
やがて彼が帰る時間になった。立ち上がると、ムラサキはそれを追って顔を上げる。
「それじゃあ」と彼は言った。
「じゃあね」とムラサキが答えた。それでおしまい。
彼は帰りのバスの中でこれからどうするべきかを悩んだ。
バイト。たいそう悩んだ結果は、ありきたりな上に陳腐な答えだった。
いろいろ調べてみるのもいいだろう。道はいくらでもある。
高卒の資格を取る方法だってあるし、そうなれば大学だっていけないことはない。
どうにでもなる、と彼は思った。
バスが家の近くにつく。「ありがとうございました」と短く告げると、「はいはい」と愛嬌のある口調で担当の教官が応えた。
暖房であたためられた車内から降りると、外の空気はひどく冷たく感じた。
いつのまにか、雪が降り出していたらしい。そろそろ積もりそうだと彼は心中で呟いた。
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