125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:09:44.75 ID:wbDVTs5Go
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彼は暗い部屋にいた。誰かからもらったマフラーを見つめている。
誰か? 誰かって誰だっけ?
どうでもいいやと彼は思う。どうせすべてに意味なんてないのだ。
暗い部屋。閉められたドア。鍵。この部屋には何もない。何もないのにこんなにも満たされている。
簡単なことだったのだと彼は思った。
誰かからもらったマフラー。それを手に取る。少しのあいだ何かを思い出そうとするが、記憶に引っかかる部分はない。
思考はまったくもって正常だと彼は思った。
彼は掌中のマフラーから視線をはずし、カーテンのレールに目を付けた。
最後の手段。
早いか遅いかの違いだけだ。そう思って、彼は口元を醜く歪めた。
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