128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:11:02.76 ID:wbDVTs5Go
帰り道の途中で家の近くのコンビニに寄ると、バイト募集の張り紙がしてあった。
携帯電話で電話番号を登録しておく。募集要項をメモする。それからすぐに面倒になって、写真機能で画像として保存した。
暖かい飲み物を買ってすぐに店を出る。また雪が降り始めていた。
家にはまだ誰も帰ってきていなかった。時計は四時半を指している。どうだろう。いいとも悪いとも言えない。そもそも基準が分からなかった。
リビングに荷物を投げ出して階段を登る。部屋に戻って画像の要項をコピー用紙に書き出した。ついでに自分の携帯の番号も書き写しておく。
彼は寒さで赤くなった指先を軽く揉んでから、携帯電話を手にして番号をプッシュしておく。
一度押し間違えて、プッシュした内容が消去されてしまう。再びやり直して、番号を入力し切った。
さて、と彼は思った。とにかくやるしかないわけだ。
彼は静かに通話ボタンを押した。
コール音は数回続いた。プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル、
ガチャ。耳に誰かの声が届いてから、彼は言うべき内容をまったく考えていなかったことを思い出す。
まぁ、駄目だったら仕方ない。そう割り切って口を開く。
敬語の使い方なんて分からない。間違ってたら間違っていたで仕方ない。どうせコンビニなんて星の数ほどあるのだ。
「バイト募集の張り紙を見てお電話させていただいたんですが――」
とにかく、やるしかないのだと彼は思った。
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