217:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/04/16(月) 18:24:50.36 ID:RiAviqKM0
男「……よし、確かにサインも頂いた、さあ、受け取れ」
村人「…おう」
渡されたのは質の悪い紙切れだった二つ折にすればポケットにも楽に入る程度の紙だ。
これをここまで届けようってんだから、運び屋は大変だ。
男「ついでにお前の写真もそのまま渡すように頼まれている、受け取れ」
村人「……ん、どーも」
男から褪せた写真を受け取る。
そこには確かに幼い頃の俺が映っており、隣の半分は白く灼けて見えない。
村人「ん?待てよ……この写真、見覚えが」
男「では、さらばだ」
村人「おい、ちょっと待…」
男「“黒猫は地図の果てにも「イエス」の一言を届けます”!さらば!」
よくわからない宣伝文句を吐いた男は、山を滑るように翔け降りていった。
強い傾斜すら、木の幹を足場に移動している。
村人「はええ……」
メッセンジャーというのはあそこまで脚が速くなけりゃやっていけないのか。
じゃあ俺には無理な仕事だ。
まぁ配達の男のことはどうでもいい。とにかく受け取った以上、不可思議であろうがこれらのものに目を通さなくては。
村人「……この写真、確か4年くらい前に撮ったやつだな」
村人「それで……それでこれ、どうしたっけ?」
撮ったことは覚えている。自分でもむかつくニヒルな笑顔。
嫌いな子供の笑顔だが、それなりに楽しそうな笑みだ。
村人(この写真は、確か…そうだ、誰かに送ったんだ)」
村人(誰かに……)
――ははは
村人「……“あいつ”だ」
村人(そうだ、この写真は……手紙と一緒に“あいつ”に送ったものだ)
村人(ということは、この手紙の主も……)
メッセージに目を通す。
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