258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/05/07(月) 19:12:26.25 ID:2+ol8XUh0
別れ街の路地裏、採石場貯蔵広場。
広場とはいえ、今はもう使われていない採石場の施設の一つだった場所。
空間の広さの割に人気は少なく、背の高い遮蔽物はここでの出来ごとの全てを秘匿する。
傭兵「ぐぁ……ぐぉおおお……!」
彼の腕に刻まれた一筋の傷も、その叫び声の大部分も、別れ町の大通りからは隔絶されていた。
傭兵「……くっ……き、貴様ら!」
『ケケケ、なんだなんだ、近頃の賊ってのは弱っちいな?』
『ちっと刃が肌にかすっただけじゃん』
『オーバーリアクションも過ぎると冷めんぜ?ケケケ』
男を囲む機人は3人。
腕の側面から伸びるナイフをちらつかせ、これでもかと威嚇している。
傭兵(まずい……まずすぎる!まさか本当に、盗賊がいたなんて!)
傭兵(くっそぉ……俺は速やかに任務を終えて、さっさと金を頂いて帰ろうと思ってたのに……!)
『おら、剣をおろせよオッサン、殺すぞ』
傭兵「……」
『なんだその目は?いや、俺らは良いんだぜ?おたくの命がどーなろうが関係ないし』
傭兵「……!」
傭兵の男の心はそこで折れた。
長年連れ添ってきた愛剣を手放し、地面に預ける。
『へっへっへ、素直は良いことだぜ、オッサン』
『おい、じゃあ次は早くそっちの木箱を渡しな、ほら』
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