269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/05/11(金) 19:17:06.88 ID:ui/cWIgH0
剣は片手で振るうものだ。
魔力によって身体能力を強化した状態でなら、素人だって出来る芸当。
そこにある程度の技術があれば、“当てる”だけなら簡単だ。
俺はその“当てる”が得意だった。
村人(遅い上に読みやすい動きだ、獣の方が遥かに鋭いぜ)
盗賊のアームナイフは、腕に格納されているスライド式の物。
肘から側面が開き、鞘は手首まで伸ばし、その先20センチほどまでのナイフが出てくる。
短いリーチ、身体の軸に近い得物。身体の動きを見るだけでも、攻撃のモーションが読める武器だ。
――カッ
『な……!』
軽く剣の先でナイフの側面を弾いてやっただけで、すぐ驚いたような反応を示した。
想定外の反撃に固まる身体。ここまで素人な動きだとは俺も思わなかった。
しかし素人盗賊相手でも、俺の剣は無慈悲に動く。
村人「ほっ」
ナイフを逸らし、素早く剣先を敵の腹部へ。
機人相手に刃物の攻撃は有効ではない。巨大な昆虫だって同じだ。外骨格は鎧も同じ。
だからこその弱点がある。
盗賊『グァ!?腹に……剣が!?』
村人『“プロミネンス”』
相手の腹部、丁度わき腹当たりに深く刺し込まれた剣。
そして素早く、たった一言の呪文を呟く。
それだけで、威勢の良かった盗賊は支えを失ったかのように、がくりと地に落ちた。
(た……立てない?いや…動けない!?)
一人目は開戦から一瞬での決着だ。
わずか2撃。そらして、刺す。終わり。
何の手ごたえもなくて逆に油断しちまいそうだ。
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