303:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/05/22(火) 20:32:51.12 ID:oM4AAQd+0
別れ街、今は使われていない採石場の屋外に、盗賊達はねぐらを作っていた。
岩場だらけの仮のアジトではあるが、鋲で打ちつけられたハンモックや炭のキットなど、多少の生活をするには困らないほどの設備が整っている。
それはひとえに、置き去りにされた道具達のおかげでもあった。
『シルルルルルルルル……』
機械の吐息を特徴的な音で吹きながら、一人の盗賊が戻ってきた。
『おうおう、そんなに眼ぇ光らせて、どうした?』
『盗みに邪魔が入った』
『そうか……それは残り二人のうち、どっちだ?』
『残り?』
『ここで一人、寝てんだろ』
ハンモックに揺れる盗賊が、岩場の壁を指差した。
ズタ袋かと思われたそれは、首の無い人間の死体である。
『なんだこりゃ、オイオイ、首から上が無いじゃねーか』
『あんまりにも醜い顔だったから、川に捨てちまったよ、ケケ』
『へへへ、よくやるねぇ』
777Res/365.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。