328:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/06/04(月) 19:37:00.03 ID:zvC9e0ut0
柄にもなく小難しいことを考えている最中に、よく聞く鳥のような羽音が聞こえた気がした。
いや、それはむしろ虫や、蝙蝠の類かもしれない。
鋭くこちらへ飛来するものの音だ。
傭兵「! よけろ!」
村人「!」
声とほぼ同時に俺の身体は翻った。
服の一番下の木ボタンを掠め取るようにして飛んできたナイフは、さくりと地面に刺さった。
それはかなり深くまで、刺さっていた。
村人「投げナイフか…!」
傭兵「気をつけろ、崖の上から来た……奴らはあそこにいる…!」
村人「先にこっちが見つかった……ってことか、なるほどな」
傭兵「どうするんだ!奴らは盗賊……狙われたら木箱を探す余裕なんかない、殺されるぞ!?」
村人「は?殺されてたまるか」
傭兵「なら早く逃げないと……!」
村人「馬鹿野郎」
傭兵「な」
逃げる?馬鹿を言っちゃいけねえ。背中を見せた奴ほど獣に襲われる。
狙われた獲物は喰われるだけ。人間はそこまで単細胞に出来ていない。
村人「俺の獲物に群がる奴らは……たとえ盗賊だろうが、容赦はしねえ」
傭兵「ば……馬鹿か!?」
村人「おい、ナイフで奴らの場所はわかった……上等だ、攻め込みに行くぞ!」
傭兵「なっ、おい、待て待て!」
この俺相手に投げナイフとは良い度胸。
当時11歳の俺に石を投げてきた隣村のクソガキが、俺に何発殴られたのか、奴らはわかっちゃいないみてえだな。
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