342:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/06/07(木) 23:00:58.07 ID:T96GaoCa0
村人「いちいち鳴き声あげんなっつーの、トカゲ野郎共が……黒焼きにすんぞ」
やっぱり数の暴力ってやつはおそろしい。
リーチが長くとも、長剣だけでは優位には立てないようだ。
村人「なら……“プロミネンス”!」
そうと決まれば奥の手を使うしかないだろう。
剣を大きく振り、背にまで構える。
今まさに凪ごうという、対人の構えとは思えない、隙だらけの体勢だ。
『ケケケ!ただ剣を振り回すだけ……』
それは、不用意に接近した相手に向けて振られる一撃。
剣のリーチから考えればあまりにも早い振り。剣先は敵に掠りもしないだろうタイミング。
だが、ごう、と雄たけびをあげて伸びる炎が、もうひとつの刀身として姿を現すのだ。
『な! 火!?』
燃える赤い輝きに眼を奪われたならば、もうそいつは避けることなど叶わない。
『ぎ、ぁあああああ!?』
『暑い!?熱いぃぃいいっ!?』
二人の盗賊は炎の輪に飲みこまれ、砂利の地面に転がった。
服も何も着ない身体は幸か不幸か、メタルグリーンの塗装を剥がすだけで済んだようだ。
『火だと!?剣から巨大な火が……!』
村人「弧を描く白熱の炎、実際のモンじゃなくて助かったな?」
本物に巻き込まれたらそりゃあもう、俺ら全員どころじゃない。
この星が掻き消されるほどのものとも言われている。
『ぎぁああぁあああぁ!』
『け、けしてくれ!熱い!熱いぃいい!』
炎を全身に受けた盗賊二人は、未だに土の上を転がっていた。
777Res/365.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。