371:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/06/15(金) 20:22:57.22 ID:TeyHPAWx0
村人(このヤロ、脚を……!)
『ケ…ケケ……倒したと思ったか?』
這いずるだけのトカゲの最後の力か、俺の脚を抱きかかえて離そうとしない。
傭兵「く、なんだこいつ!?離れろ!離せ!」
『シルルル……道連れだ……!』
迂闊だ。
表情の無い死体が牙を磨いてやがった。
『お前らよくやった……そいつらを離すなよ』
脚を噛まれた俺らの下に、劣勢だった盗賊共が悠々と歩み寄って来る。
村人「……」チャキ
『ケケケ……身動きできない状態で剣を握っても、それこそ無意味な威嚇ってやつだぜ』
村人「へっ、なら……」
剣を振ろうとしたその時、足首に硬い感触が当たる。
『おっと、妙な真似をするな……このナイフが見えるだろう?』
村人「……死にぞこないが」
『少しでも何かすれば……良いな?今の俺らでも、斬り落とせはしなくとも刺すくらいはできる…』
参ったな。剣で術も使えない。
足下のクズ鉄を一掃してやろうかと思ったが。
村人「死んだフリ……さすが、トカゲで名が通っているだけはある」
『ケケ、お褒めの言葉どうもううさて』
村人(……!)
向こうの岩場の陰で、それは獣の眼のように爛と光った。
『随分と手を煩わさせてくれた……が、それもここまで』
目の前の盗賊がアームナイフを撫で擦る。
……今すぐに突いて来ても不思議ではない。
それだけはまずい。
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