386:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/06/20(水) 18:50:50.58 ID:BuiB7qti0
別れ町の中央は人でごった返していたので、外れの奥まった路地にある、少々埃被ったテーブルを中心にして、俺達は腰を落ち着けた。
放置したんだろう、コーヒーか何かを飲んだ後のカップらしきものが、黒い汚れをつけたまま机の上に取り残されている。
ここはまだ人が少ないが、すぐ路地を出れば、市場に近い通りがある。
商人の声やら往来の声やら、とにかく聞き慣れない声が多くてやかましい。
村人「ったく、うっせーな町ってのは…日中なら黙々と仕事でもしてろってんだ」
傭兵「日中だからこそ、じゃないのか?」
村人「俺の村は日中でも静かなんだよ、夜には酔っ払いが徘徊するからな」
傭兵「……なるほど」
そして再び、じめっぽい視線に気付く。
少女「……」
村人「…なんだよ」
ものを言わないくせに、眼だけは逸らさない。変なタイプの人間だ。
少女「……確かに、この町の近くの人間ではなさそう」
村人「オイ、俺の服見て決めつけやがったな」
少女「違うの?」
村人「そうだけど」
こいつは絶対に、俺の棒ボタンを見て決め付けた。間違いない。
そんな小娘は、悪びれた風もなく腰のポーチをまさぐっている。マイペースな奴だ。
少女「これ」
傭兵「?」
村人「ん?」
テーブルのカップの横に、手紙らしきものが差し出された。
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