39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/09/05(月) 22:00:32.46 ID:kCvpyrPN0
??「…」
路地裏の奥にいる一人は、はやる心の鼓動を左手でおさえ、空気を欲する腹を理性と恐怖で鎮め、周囲を窺う。
路地裏の真上には満月が輝いていた。実に美しい、白い満月だった。
こんな夜には何かが起こるかもしれない。
わずかな月明かりに照らされて、路地裏に潜む一人の影の姿がうっすらと浮かび上がる。
その影は白いローブを羽織り、暗い中ではわずかであるが、淡い光を帯びていた。
白い影「…よし、ここまでくればなんとかなるだろう」
白い影は安堵の息でさえ殺してはいたが、口元しか窺えないその表情は微笑んでいるように見えた。
魔術師「追っ手は…撒けたのでしょうか」
白い影「…さあ、どうだろうね…いや、ここまでくれば…」
家屋の薄水色の煉瓦壁に背を預ける。
数十分ぶりの新鮮な空気の味を満喫したい気分だったから。
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