459:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/07/23(月) 19:56:20.59 ID:ZTtF6R700
咳きこみそうになるほど埃臭い、どこかの地下。
闇の灯りをわずかに反射する黒の大理石の上に、更に暗いフードを被った者が一人。
その者を覆う外套は、深い藍。黒よりもより闇に近い濃紺である。だが、闇の中でそれは黒にしか見えなかった。
黒衣「おい、今度はなんだよ」
フードの奥の表情は、長く垂れた前髪でうかがえない。
黒衣「こっちはまだ、ターゲットが2人残ってる」
その者は影の向こうに潜む何かに言った。
口調は感情を露わにはしていないが、怒りの色が薄く滲み出ている。
大理石の最も深い位置に座す相手は答える。
??「変更だ」
黒衣「変更だと?理由を言え」
??「ジェミニがターゲットを変更し、“狐”もそれにあわせて変更となった」
黒衣「あのクソ野郎が変更?……チッ」
??「ジェミニの手にも負えないターゲット、だそうだ」
黒衣「どうせポカしただけだろ?ただの言い訳だ」
丁寧なことに縁のない奴だ、と付け加えて悪態を零す。
??「その変更を鑑み、ジェミニのような、ターゲットとの相性も考慮することとした」
黒衣「丁寧なこった、間違いなく他にはねえ依頼人だよ、アンタは」
??「お前のターゲットも同じく変更となった、次は砂嵐も吹かない穏やかな地域にしてやる」
黒衣「……で、次は誰だよ」
??「本来ならばこれは“狐”に回す仕事だったが、」
黒衣「さっさと言え、オレを待たせるな」
黒の前髪の向こうの目が睨んだ。
わずかに見えたその双眸は、たとえではなく、まさに“黒曜石”だった。
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