過去ログ - 村人「めんどくせえええええ」
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484:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/08/03(金) 21:03:43.59 ID:RcXUQH3e0

ドアが閉まる。

一人分としては十分な広さの部屋。

主人の性格からか、安くとも綺麗に整えられた室内には、目立つ汚れは一つもない。

心おきなく鞄を置けるというものだ。


少女「どうして置いていくの、それと一人って」


一緒に部屋に入ったこいつも腰の皮ホルダーを外し、荷物の上に投げ置いた。

双剣は結構な重量なためか、大きめの音を立てて落下する。

商売道具だろうに、乱暴な奴だ。


村人「悪いな、正直忘れてた」

少女「困る」

村人「すまん」


他人の事なんか気にかけずに生きてきて、随分と経つ。

思いやりが万人に共通する時期など、いかに進んだ文明だろうが5歳が限度だ。


大人になった俺が他人を再び気遣えるようになるまでには、かなりの時間と俺自身の努力が必要だろう。

つまり俺はもう手遅れということだ。


村人「あー、眠い眠い、今日は疲れた」

少女「……」


固めの毛布すら心地良い。

他人の温もりのない、ひんやりとした生地には慣れないが、次第に身体に馴染むだろう。


少女「……あなたは、剣士?」

村人「ただの“村人”だよ」

少女「ただの村人が“魔術”を?」


魔術…というと。つまりどういうことだ。


村人「オイ、お前今日の、どこまで見てた?」

少女「……少し」

村人「じゃあなんだ、あの岩陰から俺らの方に走って来た時よりも前に……」

少女「……ごめんなさい、戦っているところ、少し見てた」

村人「なんて奴だ、加勢しろよ……」

少女「……ごめんなさい、見とれていた」

村人「あ?」


少女「魔術……私は、使えないから」

村人「……」



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