570:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/09/04(火) 18:59:17.68 ID:7JRac9RJ0
少女「石灯式以外のカンテラで安いものは?」
商人「んー、中古で良いならこっちの理学式のものがあるが……」
少女「式を使うの?」
商人「そりゃちょっとはね、型も古いし融通は利かんよ、ある程度使えないと駄目だな」
少女「……じゃあ石灯式のもので何か良いものは……消えにくいものがいい」
商人「持続時間てことかい?そうだな、こっちのカンテラなんかは特に持ちが良いと思うが……しかし、ちと高い」
少女「見せて」
村人「……ふぁぁあぁあ……女の買い物は誰でもなげーんだな……」
俺がすることといえば、荷物持ちくらいのものだった。
買いたいものはこいつの頭の中で全て決まっているらしく、財布も握られているときた。
不思議な構図ではあるが、わざわざ他人の旅についてきて、実費で荷物を揃えようという懐の広さには感謝しよう。
あいつの依頼には、それ相応の見返りがあるということなのだろう。
村人(……そうだ、家のカギをかけるのを忘れてたような……どうするか)
暇をもてあましてふと気になるのは、村の事だ。
村人(それに村の奴らに出かけてくるとも言ってないし……)
村人(村女は心配するだろうな……村長も……)
思えば本を買いに降りただけの、気軽な下山だったのだが。
俺も俺で、随分面倒な目にあっちまったものだ。
村人(……ま、しかし、この山をまた登り直す時間は無い)
村人(いっか、別に)
わざわざ報告のために山を登る気力はなかった。
少女「ねえ村人」
村人「んあ?」
少女「……出番」
村人(……いつの間にか、値切りが俺の仕事になってやがる)
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