682:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/05(月) 22:19:36.27 ID:SQlL/RFa0
農民「脚が治っても、まだまだやることは多そうだ」
村人「災難だったな」
農民「いいや、それでも不幸中の幸いだった……なにか恩返しでもできればいいがね、あいにくヤマムギしかないんだ」
村人「恩返ししてくれるってんなら金を……」
少女「村人」
村人「ん?」
服の裾を引っ張られ、少女の眉を少し吊り上げた顔が俺を睨んでいた。
一切曇らぬ抗議の意思が、そこにははっきり表れている。
少女「がめつい」
村人「何?当然だろう、感謝の気持ちを受け取って何が悪い」
少女「それこそ気持ちだけで十分、早く行こう」
村人「なっ、お前自分から寄り道したくせに何を」
少女「寄り道に付き合ってくれてありがとう、おかげで助かった」
村人「……そうかい」
いの一番に助けようとしたこいつが謝礼はいらないと言うんだ。
それを差し置いて、俺が欲しいなんてことは言えるはずもない。
まぁ、こんな羽虫の多い林の中でヤマムギをせがむのもバカらしいことだ。
俺たちはさっさと踵を返し、街道の先を往くことにした。
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