720:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/26(水) 18:19:08.85 ID:rzkOt5nA0
船頭「おお、良い風だ」
男「そうですね、波も無く良い追い風です」
生徒「わぁー」
朝市場の生臭さが残る桟橋を離れると、心地よい潮風を受けて船が進んでいた。
船頭「これなら、予定よりも早く港につけそうだ、良かったな」
男「ええ、ありがたい限りです……急ぎの用なので」
船頭「海の機嫌が良かったんだ、礼なら海に言え」
男「はは、ええ」
ぶっきらぼうに返す船頭の耳が赤くなっているのを、男は見逃していなかった。
周囲に人の目などはあるわけもなく、ならば当然、暗殺者もいない。
ただこの場の雰囲気に和まされるだけの、微笑ましい船旅だった。
生徒「……」
男「こら、あまり覗いていると海に落ちるぞ」
生徒「あ、すいません……水にお魚さんいないかなって」
男「全く、のんきだな」
生徒「……ごめんなさい」
男「いや、良いんだ」
男(……最近はバタバタしていたからな、丁度いい休息だ)
男(なんとか港に辿り付けた……そして船に乗って、国外へ……)
男(暗殺者はなんとかなったが、疎開先への道のりもバカにはならないなぁ)
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