過去ログ - ミカサ「いやぁ、エレン……っ、殺してやる、殺してやるわ!」
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◆tt4XjKq/KE
[sage]
2011/08/29(月) 19:46:36.62 ID:5hHITQE30
リヴァイは、ミカサを自分の兵舎には連れて帰らなかった。
あそこには今入団したばかりのエレン・イェーガーがいる。
エレンはまだ、兵器としてその存在を何とか許されたにすぎない。
恋人(とリヴァイは二人の関係をそう考えている)が今から自分と一夜を共にすると聞いて、平静でいられるとは思えない。
問題を起こされると困る。
かといって、ウォール・ローゼの場末な連れ込み宿かなんかにミカサを引き込むのも気が引けた。
結局、そこそこ高級な旅館に連れ込んだ。
……と書けば大人しくミカサがついてきたようだが、事実は違う。
暴れるのは目に見えていたので、大臣たちに見せつけるためにも、その場で気絶させて、抱きかかえてきた。
「リヴァイ兵長」
あのときリコが三白眼を吊り上げて睨んだ。
「そのガキがあなたのお手付きだって、後日でちゃんと『調査』させて頂きますよ」
ミカサを抱きかかえながら去っていくリヴァイに、リコは執念深く念押ししていた。
仮にも大臣暗殺の重大犯だ。ことを茶番で誤魔化そうとしてもそうはいかない。
事と次第によってはリヴァイにも濡れ衣を着せる算段をリコは立てていた。
「ご存じの通り、王政府の法律で避妊は禁止されていますからね。色々と面白くなりそうですねぇ♪」
(しょうがねえ……)
部屋に入ると溜息一つ、リヴァイはミカサをベッドに放り投げた。
「ん……っ」
うっすら目を開ける。
開けてすぐ乱れた胸元を隠した。
きょろきょと猫のように周りを警戒してリヴァイの存在を目にとめる。
一瞬で顔が憎悪と嫌悪に歪んだ。
「憎むなっていうのが無理だよな。憎みたきゃ俺を憎め」
リヴァイはにこりともせずに言う。
自分を憎めば都合がよいと実際に考えていた。
これから俺はこの女を力で無理やりねじ伏せる。そして服従させる。
そうして自分を憎めば憎むほど、その自分を倒すためにこの娘は修練を積み、強さを増していくだろう。
聞けばこのガキは訓練生主席だという。そして今の闘いで手ごたえをつかんだからこそ分かる。
いずれリヴァイ自身すらも超えた、最強の兵士が誕生する。
ミカサは掴みかかってリヴァイを[
ピーーー
]勢いで睨んでいるが、先程のダメージで抵抗は無理だと分かっている。
ぴくりとも動けそうにない。
そしてリヴァイが何するかも、もう子供ではないミカサには分かっていた。
だが、ミカサはリヴァイが心中でそんなことを目論んでいるなどと夢にも思わない。
自分をかばったとも思っていない。
単に、面白半分に自分の体を踏み躙ろうとしているだけだと解釈した。
(エレン……)
涙が、溢れた。
「念のために聞くが、エレンとはまだ何もないのか?」
ミカサの泣きぬれた顔が赤さを増す。
その様子で直接確認するまでもなく察した。
ミカサをベッドに組み敷く。
押さえつけたその肩は、先程鬼神のような猛攻をかけて来たとは思えないほど、軽く華奢だった。
「殺してやるわ……」
ミカサは身じろぎもしないで、じっとリヴァイを睨み据える。
「いつか、きっと、殺してやる……」
「楽しみだ」
リヴァイは無表情に呟いてその唇を奪った。
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