過去ログ - センチメンタルグラフティ2 SS 嫉妬
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/08/30(火) 13:02:31.06 ID:eHBXZLpx0
秋も深まったある日。
窓を開ければ、入ってくるのは夜の涼しい風。
風鈴が、時たま音を立てる。
虫の声とのハーモニーにはほど遠いが、秋の音には変わらないのかもしれない。
−土曜・夜−
「ごめんなさい‥‥‥その日はちょっと用事があるの‥‥」
ある意味で、わかっていた答えが返ってきた。
電話の向こうで、 ほのかがどんな顔をしているのか、俺にはわからない。
確認の為の電話だった。
こんな電話をする自分が、つくづくイヤになる。

「あ‥‥い、いや。いいよ別に」
嘘の言葉。
いつわりの笑顔。
自分でも情けなくなるほどの笑顔。
電話の向こうには届かない笑顔。
「また今度‥‥‥今度一緒に出かけましょう。きっとよ」
今度っていつだろう。
今度があるのだろうか。
今度という言葉は、もしかして無理して使っているんじゃないだろうか。
「‥‥今度か」
「うん‥‥」
今、聞いてみたかった。「なんの用事?」と。
だが、それを聞く事ができなかった。
もし、俺の知っている事と違う事を言われたら‥‥‥つまり、嘘をつかれたら俺はその時どうすればいいのだろう。
俺が知っている本当の事を ほのかに告げたら、 ほのかはなんて答えるだろう。

「ま、まあしょうがないか‥‥‥それじゃまた今度ね」
「‥‥‥」
返ってきたのは無言の返事だった。
「 ほのか?」
「あ‥‥うん、なに?」
「どうしたの?」
「う、ううん‥‥」
「そっか」
一言一言の間にどんな意味があるのか、俺がいくら考えても出てこなかった。
「‥‥‥‥‥‥ね」
ひとことだけ、ポツっと聞こえてきた。
うっかりしていたら、聞き逃してしまうほど小さな声だ。
「‥‥なに?」
俺は、すでに自分で自分の会話内容さえつかめていない状況だ。
声も、もしかしたら機械のように抑揚がないかもしれない。
なぜそうなのか、 ほのかが気づく筈もないとわかっていながら、どこかで「どうしたの?」と聞いて欲しかった自分が居た。

「‥‥ご、ごめんなさい‥‥‥なんでもないの」
「そっか‥‥」
何を言おうとしていたのか、俺には考える余裕なんて無かった。
それ以上話す気力がなくなっていた俺は、先に電話の終わりを告げた。
「それじゃ、また」
「うん‥‥それじゃ」
電話は先に俺が置いた。
いつもなら、少しだけ間があるのだが、なんとなく ほのかと話すのが辛かったからだ。
確かな物が何もない今、こんな気持ちになるのは、俺の勝手なのはわかっている。
俺は俺の世界があるし。 ほのかにも ほのかの世界がある。
お互いそれに干渉する訳にはいかない。
ほのかの行動は ほのかで決める事だ。俺が決める事でもない。
ましてや、そんな立場でもない。
俺はほのかにとって───────
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/08/30(火) 13:04:28.96 ID:eHBXZLpx0
エーベルージュ SS二人の写真

校門を出る時に、二人でトリフェルズ魔法学園の校舎を眺めていた。
長い時間だったような気もするし、短い時間だったような気もする。
そんな生活を送った校舎、校庭などの思い出の場所を名残惜しそうに見つめていた。
以下略



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