過去ログ - 「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」
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423:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:00:55.76 ID:+dzWyMwwo

眼球は少し触っただけで取れてしまうのではないかと思えるぐらいに飛び出していて、そしてその目は恨むように私をみていた。

呪い殺されるかと思えるぐらいに。本当に。

以下略



424:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:01:42.27 ID:+dzWyMwwo

呼吸は徐々に激しさを増し、吐き気を覚えた。

息を吸う毎に私の身体は重くなっていく。

以下略



425:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:02:25.32 ID:+dzWyMwwo

でも、違う。

知っている。そのくらいは知っているのだ。これは紛うこと無き現実なのだと。

以下略



426:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:02:53.83 ID:+dzWyMwwo

「勇者」

搾り出したような霞んだ男の声は、私の体を撫で回す。

以下略



427:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:04:22.86 ID:+dzWyMwwo

「わしはお主も、お主の父も、魔物も、憎むぞ」

男はしわくちゃの顔をもっと皺だらけにしながら目を閉じ、顔を伏せた。

以下略



428:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:05:10.80 ID:+dzWyMwwo

――


それでも、その男は哀れなものだった。
以下略



429:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:05:57.99 ID:+dzWyMwwo

そんな彼が大人なり、王になり、何を思ったのかはわからない。

ただ王になっても彼は孤独なままだった。

以下略



430:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:07:02.07 ID:+dzWyMwwo

私がゲームに安らぎやときめきを与えられるように、彼は賢者の宗教に安らぎを感じてしまった。

彼はやっと悲しいとき、悔しいとき、自分のベッドの布団ではない、本当に自分を救ってくれる縋れるものを手に入れたのだ。

以下略



431:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:07:51.22 ID:+dzWyMwwo

教団が魔物が悪だといえば、悪だと信じた。

そして彼はうまくない国政を、魔物の所為にすることで余裕をもつことができた。

以下略



432:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:08:39.86 ID:+dzWyMwwo

だけれど私の父と、そして戦士さんが教団をつぶした。

多数の信者の目撃証言で賢者が魔物だということが広まってしまった。

以下略



433:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:09:14.37 ID:+dzWyMwwo

そして勝ったのは、意外にも王だったのである。

勇者たちは皆殺し。王は歪んだ正義を貫くことができたのだ。

以下略



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