過去ログ - 「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」
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430:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:07:02.07 ID:+dzWyMwwo

私がゲームに安らぎやときめきを与えられるように、彼は賢者の宗教に安らぎを感じてしまった。

彼はやっと悲しいとき、悔しいとき、自分のベッドの布団ではない、本当に自分を救ってくれる縋れるものを手に入れたのだ。

以下略



431:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:07:51.22 ID:+dzWyMwwo

教団が魔物が悪だといえば、悪だと信じた。

そして彼はうまくない国政を、魔物の所為にすることで余裕をもつことができた。

以下略



432:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:08:39.86 ID:+dzWyMwwo

だけれど私の父と、そして戦士さんが教団をつぶした。

多数の信者の目撃証言で賢者が魔物だということが広まってしまった。

以下略



433:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:09:14.37 ID:+dzWyMwwo

そして勝ったのは、意外にも王だったのである。

勇者たちは皆殺し。王は歪んだ正義を貫くことができたのだ。

以下略



434:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saeg saga]
2011/09/01(木) 17:09:41.18 ID:+dzWyMwwo

王である男はそこでやっと気づいたのだ。自分は間違っていたことに。

しかし何もかも遅かった。遅すぎたのだ。

以下略



435:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:10:10.06 ID:+dzWyMwwo

私はひとつため息をつく。

まるで牢屋のような石の壁や床でできた小部屋には無機質にもベッドしか置いていない。

以下略



436:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:10:37.10 ID:+dzWyMwwo

このからみえる藍色の空はべったりとアクリル絵の具で塗られたように重く、けして美しいものではなかった。

けれどもその中で、恥ずかしげに欠けた月は黒い雲のドレスを身にまとい、私たちをやさしく見守っている。

以下略



437:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:11:20.82 ID:+dzWyMwwo

―― あれから、一年半ぐらいたつだろうか。

人々が魔物ではなく、王に関心を向けてくれたおかげで、私たちは内政を整える時間をもらった。

以下略



438:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:12:37.72 ID:+dzWyMwwo

人間は人間。魔物は魔物で、すごしていけばいい。

今のようにお互い無関心で……。

以下略



439:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]
2011/09/01(木) 17:13:20.47 ID:+dzWyMwwo

ゆっくりと手を下ろし、もう一度月を見つめた。

しかし残念ながら雲に隠れてしまっていて、もう月の影すらみえない。

以下略



440:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saeg saga]
2011/09/01(木) 17:14:20.90 ID:+dzWyMwwo

「父さん、私、間違ってないよね……」


教団をつぶしたらしい父と、戦士さんの行方はわからず、僧侶さんもどこかにいってしまった。
以下略



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