77: ◆2X.nP8ceFI[sage]
2011/10/16(日) 01:59:18.90 ID:DpYFWt7S0
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芳川は打ち止めを背負い、妹達調整用機材のある部屋へと続く薄暗い廊下を歩く。
その顔に浮かぶのは困惑の色。
一方通行は以前あった時と雰囲気が違う、いや、彼はもはや別人かのように芳川の瞳に映った。
何が一方通行を変えたのだろう、いや原因はわかっている、無能力者でありながら拳一つで悪夢のような実験をぶち壊したあの少年だろうなと、芳川は適当に考えながら少々息を上げつつ薄暗い廊下を歩き続ける。
長年研究所でデータと睨めっこしていたイチ研究員としては、10歳前後の少女でさえ重荷になるのだ。
「大体、こういうのは男の子の仕事でしょう……、それに広すぎる施設というのも考えものね……」
今この空間にいるのは意識を失った打ち止めと膝が笑っている芳川だけだ、当然彼女の言葉に返事を返す者はいない。
「あら、独り言を無自覚に言うようになるなんて、私も年なのかしらね……、っといけないわまた思考がそれてしまったわ……」
本当に一方通行の言う通り、更年期障害なのかしら、と比較的本気でへこみ、深く息を吐く芳川だったがここで思考を切り替える。
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