過去ログ - 「……俺はお前が欲しい」 「え?」
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334:ツェペリ ◆G2/Yj5eh5U[saga]
2011/11/21(月) 18:12:19.15 ID:iXpWSE4N0



━━━━━━ 凄まじい揺れに、宿の灯火が消える。



特殊なゴーグルの調整をしていた、僅かに艶の無い赤髪の老人が窓の外を見る。

「…やるな、俺でもあそこまで分厚い壁は壊した事が無い」

「クゥン…」


足元で小さく鳴いたベージュ色の犬に、老人は手を優しく頭に置く。

口調だけは若い青年のような老人は犬の目を見ないで告げた。


「大丈夫さ、『アイツ』もフィーアに怪我させる事はしないだろう」


そして、少し撫でながら


(………いずれ、『アイツ』から話してくれるのを俺は待つしかないな)

静かな灯火のように優しい瞳をした老人は思考する。

彼の物語は既に終わっている故に、どうする事も出来ないのが分かっている。





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