過去ログ - 「……俺はお前が欲しい」 「え?」
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355:ツェペリ ◆WslPJpzlnU[saga]
2012/01/05(木) 09:07:42.02 ID:siF+yv0C0


「……『それ』を実行する前に、聞きたいな」

まるでクロの表情を隠すように陽の光が消えていく中、彼は優しく尋ねてきた。


それは何故か、甘い声に聞こえたかもしれないし、酷く冷たい声にも聞こえたかもしれない。

だがこの場にいるのはシルバとクロの二人だけ。


「何が…聞きたいの・・・?」


僅かに、少しずつ、確実に。

シルバの意識は水面の上を歩くかのような易しい、世界がゆったりと動いている感覚に塗りつぶされていく。

そんな彼女の黒髪をクロは撫でた……いや、もしかしたら舐めたのかもしれない、シルバはそう感じた。


「お前は、そうまでして救いたいのか? 本当にセラを助けたいのか?」

「そんなの・・・」

「違う筈だ、分かっているはずだ」


そんなことは無い。

そうシルバは叫ぼうとした、だが声は出ない。

まるで悪夢に囚われたように彼女の体は凄まじい疼きを覚えていく。





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