過去ログ - 「……俺はお前が欲しい」 「え?」
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356:ツェペリ ◆WslPJpzlnU[saga]
2012/01/05(木) 09:18:56.14 ID:siF+yv0C0


(・・・この、かん…かく……は)


夜の闇が包み込んだ空間の中で、シルバの瞳も同じく闇の色に塗りつぶされる。

彼女は、その感覚で一瞬愛する青年の顔を思い出した。



直後。

目の前にその青年が立っていた。



「……♪」

手を伸ばす。


もう我慢することは無い、子供の時から彼女は青年に伝えたいことがあった。

言いたいことがあった。


「大好き…」


涙が、溢れているのに、拭えない…瞳を瞼で覆ったが最後彼は消えてしまう気がした。

彼女は手にあったコインを投げ捨てる。

あのコインが何だったのかすら思い出せない今、彼女はどうでもいいと思ったのだ。

シルバは青年の体を抱きしめ、愛撫し、自らの肉体を使って全ての『愛』を伝える。


本当に人間が住む世界なのかと疑う程の闇夜の中、異形の存在は少女と交わる。





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