過去ログ - ブラスター・ブレード「我が手を取れ、恐れるな」
1- 20
3: ◆kJCm.rf/1E[sage saga]
2011/09/06(火) 02:59:49.50 ID:8NvcNBcc0
 とはいっても、進路指導室はアイチのクラスからそう遠い位置にある訳ではない。
 一分もかからないうちに辿り着くと、その扉をコンコンと二度ノックする。中にはもう先生がいる筈だ。

「どうぞ」

「失礼します。遅くなってすみませんでした」

「イエイエ。ささっ、そこの椅子に掛けて下サイ」


 聞き慣れた少し怪しげな日本語と共に迎えてくれた外人教師はアイチに座るよう促す。

 ぺこりと一度頭を下げて、アイチは言われるままに先生と机を挟んだ向かい側のパイプ椅子へと控えめに腰を下ろした。


「さて、さっそく本題に入りましょう。まずは先導くんの今の成績についてからですが――」


 こうしてアイチの二者面談は始まった。

 中学三年生――受験生であるアイチにとって、この面談は大事な意味をもつものであった。
 今は教師と二人だけだが、また後に親を交えた面談も待っている。
 今日はその前の軽い打ち合わせみたいなものだろうか。
 親が自分にどういう進路を望んでいるのかアイチはまだよく理解していないのだが、自分の希望している進路をここではっきりと伝えておかなくてはならない。しかし。


「――それで、先導くんはもう行きたい学校は決まっていマスか?」

「いえ、それが……まだ……なんです」

「そうですか……まだ焦る時期ではないと言いたいところですが、具体的な目標がなければ対策の立てようがないですからね。うかうかしている訳にもいかないですよ?」

「はい……」

「まあ、先導くんの今の成績ならどこの学校でも問題は無さそうですが」

「あ、ありがとうございます」


 アイチの成績が記されているプリントに目を配らせながら先生は言う。
 だが、そこから一息置いて、声色に少し変化が現れた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
88Res/81.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice