過去ログ - ブラスター・ブレード「我が手を取れ、恐れるな」
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◆kJCm.rf/1E
[sage saga]
2011/09/06(火) 03:08:22.12 ID:8NvcNBcc0
「いらっしゃい」
次にアイチが聞いた声は間違いなく人間の声だった。落ち着いた女性の声。
声のする方向にはレジカウンターがあり、そこの店番なのか髪の長い女性が座っている。
そして何故かカウンターの上には猫が小さく丸まって寛いでいるのが見えた。
女性は大人っぽく見える容姿だったが、エプロン下のブラウスが何処かの学校の制服のようで少なくとも学生である事がうかがえた。
アイチよりひとつふたつ年上と言ったところだろうか。
女性は少しの間、アイチの顔を見つめていたのだが、視線をすぐに落としてしまう。
どうやら本を読んでいたらしい。
「初めて見る顔だね」
ぱらりとページをめくりながら女性が静かに呟いた。
アイチは自分の事を言われているのだというのに気付くのに遅れて、返事に一瞬戸惑ってしまっていた。
「あっ、あのっ、はい」
「アンタも噂聞いてやってきたの?」
「噂?」
「そっ、まあ色々あるけど……たとえば、奥にいる連中が聞いたのみたいな」
奥。そう言われて自然と向いたその場所を見て、アイチはようやくこの店がなんの店なのか理解する事が出来た。
テーブルが置かれたスペースに向かい合って椅子に座る二人の人間とそれを立って囲む数人の人間。
テーブルの上には小さな束が二つ。
そしてこの店の名前という情報がアイチに答えを導いてくれる。
「そっか、カードショップか!」
「何? アンタ知らないで入ってきたの?」
店員の女性に鋭い視線を向けられる。それ以上は口にしなかったが、『ただの冷やかしならとっとと帰りな』という意志表示が色濃く映っていた。
そんな女性に気まずそうに苦笑を浮かべるアイチだったが、テーブルを囲む人間の中心から聞こえてきた大声でびくっと体を跳ねさせた。
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