過去ログ - 御坂「ただの道化ですよ、とミサカは自己紹介します」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]
2011/09/07(水) 17:30:29.25 ID:ovrJyVKn0
夕暮れの公園にひゅうと秋風が流れカサカサと木枯らしが囁いた。
冷たい秋風に両者の頬の熱が奪われる。
手持無沙汰になったのか、土御門は羽織る学ランの胸ポケットにある煙草の箱から一本取り出すと、
安っぽさが前面に曝け出されている大量生産型の激安ライターで火をつける。
少女はチリチリと痛む奥歯で感傷の味を久方ぶりに噛みしめていた。
徐に両手を目の前に広げ、見下ろせば、どれだけ己が一人舞台に立ち続けているのかを実感させられる。
何があっても、地球はまわり太陽はきらめき月はうたう。
あの子を置き去りにして、あの人に見向きもしないで、私を振りまわして、誰もをズタズタに引き裂きながら。
四つの季節が順に色を変えて流れていき、ついにはこの両手にある指の数以上の季節が過ぎ去った。
過ぎ去ってしまった。
数えるのも飽きてしまたのは季節が一巡した時で、
演じることに狂気じみた歓喜を見出したのは季節が二巡した時だった。
そうして、季節が三巡を迎えようとする今、
少女は便宜的に命名された個体名から完全に離脱して、
『超電磁砲』になった。
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