31: ◆CjyeZwq5EN.k[sage]
2011/09/11(日) 23:26:16.99 ID:/Ql08bsN0
二日目
次の日、学校を終えた初春はそのまま風紀委員支部には行かず、病院へ向かう。
初春の手にはお気に入りの店で買った焼きプリン。
白い箱の中には二つ入っており、初春の分と、垣根の分だ。
あくまで、寂しい思いをしている記憶喪失の人間の為に。
昨日初春が垣根に対面した時に表れた感情は、恐れとか、怒りとか、憎しみとかではなく、
……哀れみだった。
あんな大怪我を負って、しかも記憶喪失。
親しい者はおらず、病院のベッドに一人ぼっち。
誰も自分の事を知らない、自分は何もかも知らない。
それがどんなに孤独で、心細いかは、あるいは何も感じないのかは初春には想像もつかなかったが、その状況が絶対につらいと言う事だけは理解できる。
こんな自分でも助けになれるのなら、喜んで働こう。
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