過去ログ - 垣根「俺はヒーローにはなれねえんだ」
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◆3wvSQQhdpM
[saga]
2011/10/03(月) 22:38:23.40 ID:jxPHZm5AO
女を事務所に入れた垣根は、
「どうぞ、そこのソファに座ってください」
と言って、彼女を座らせた。
そして、自分は反対側のソファに腰掛け、彼女とテーブルを挟んで向き合った。
冷房の電源を入れ、蒸し暑くなっていた室内を冷やす。
コンビニで買ってきた物はテーブルの端に置いておく。
垣根は女に話しかけた。
「コーヒーでも飲みますか。残念ながらインスタントしかありませんが」
「いえ、結構です……」
疲れが滲む顔。
弱々しく響く声。
小刻みに震える唇。
それらが、彼女の置かれていた状況の辛さを如実に物語っていた。
垣根は、女へと質問を始めた。
「それで、俺達にどのような依頼をしに来たのですか」
女はたっぷりと間をとってから、一言、
「娘を、探して欲しいんです」
彼女に聞き返す垣根。
「娘さんを……ですか」
「はい」
「何があったんですか」
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