過去ログ - 垣根「俺はヒーローにはなれねえんだ」
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◆3wvSQQhdpM
[saga]
2011/10/09(日) 23:43:08.18 ID:Vh6HeQgAO
「それとも、警備員を頼れない理由があるのですか」
「あ、あの……その……」
ここで垣根は、ふっと息を吐き、表情を和らげる。
「まぁ、いいです。依頼は受けますよ」
女はうつむいていた顔を上げた。
目に光が戻り、心持ち頬に赤みがさす。
「本当ですか」
「ええ、できるだけやってみましょう」
と垣根。
垣根の返事を聞いた彼女は、一転して嬉しそうに顔を綻ばせた。
ありがとうございます、ありがとうございますと礼を述べ続ける。
垣根は、彼女の言葉を遮り、
「ただ、一つだけ条件があります」
「条件、ですか……」
ええ、と垣根はうなずく。
「娘さんを探すのに支障を来すといけないので、警備員に通報できない理由を教えてください」
「そ、それは……」
再びしどろもどろになる女。
「大丈夫です。俺達には守秘義務がありますから、聞いたことは墓まで持っていきますよ」
「ですけど……」
それでも渋る彼女に、垣根はもう一言言う。
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