過去ログ - 唯「ねえ、あの頃のわたし心配しなくてもいいよ」
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81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:28:43.26 ID:PhNH+igAO

電車がゆっくりと減速したかと思うと、ぷしゅうという気の抜けた音を出してホームに停まった。
この駅でおりる人はわたしたち以外にはいなかった。
駅から出ると、未来とあまり変わっていない町並みが飛び込んできた。

以下略



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:30:07.40 ID:PhNH+igAO

唯「大人?」

大人唯「そう」

以下略



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:31:01.03 ID:PhNH+igAO

唯「……うん……あのね」

大人唯「なに?」

以下略



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:32:00.91 ID:PhNH+igAO

桜ヶ丘高校までの道筋は7年後とほとんど変わっていないため、すんなりと目的地にたどり着くことができた。
記憶を頼りにワープした地点をやみくもに探していく。学校の近くというのは間違えないはずだ。




85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:33:29.84 ID:PhNH+igAO

もしかしてワープした地点に行けば未来に戻れるという楽観的な考え方自体が、間違えだったのかもと脱力感に襲われはじめたとき、探しものが目の前に現れる。
わたしの車は堂々と道路の脇にとめてあった。
たった二日半しかたっていないのに、その車はずいぶん懐かしく思えた。
鍵は差しっぱなしだったが誰かが中に入ったような形跡はなかった。
以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:35:23.22 ID:PhNH+igAO

考えていてもしかたないだろうし、わたしは車に乗ってバックする。
他の車が通るようすはない。
だいたいこのくらいだろうというところまで下がり、そこでいったん止まる。

以下略



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:36:29.21 ID:PhNH+igAO

出し抜けになぜ過去にきたのだろうという、本来ならば最初に思い浮かぶべき疑問が浮かんだ。
はじめはなにがなんだかわからなかったし、そのあとはもっと別のことに気をとられてしまったために、今の今まで保留になっていたのだ。
でも、まあいいやと思う。
けっこう楽しかったし、まあ理由なんてどうでもいいかって。
以下略



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:37:38.23 ID:PhNH+igAO

横を向いたら桜ヶ丘高校が見えた。
ここに来る前に見たのとほとんど変わっていない。

明日から彼女たちはまたあそこでお茶したり、お菓子を食べたり、馬鹿な話をしたり、小突きあったり、けんかしたり、仲直りしたり、たまに演奏をしたりするんだろう。
以下略



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:38:32.98 ID:PhNH+igAO

わたしは少し切ない気持ちになったけど、いっしょに笑い声をあげたくもなって、アクセルを思い切り踏み込んだ―――




90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/09/10(土) 22:39:02.47 ID:PhNH+igAO

気づくとわたしが運転する車は道路を順調なペースで進んでいた。

フロントガラスごしに見える世界はすでになんども見馴れてしまったもの、建ち並ぶ規格化された住居、ソーラーパネルで埋め尽くされた屋根――なんだかデジャビュ。



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