102:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/10/12(水) 08:54:17.03 ID:c+cJj/BG0
唯のこの様子からして、彼女が嘘を付いているとは思えない。カチューシャと言う物的証拠もある。そもそも嘘を付く理由が全くないし、実際に渋谷での、無差別テロ(じけん)が起こっている。そしてこれまでの状況から律が起こした可能性は非常に高く、彼女がおかしくなったと言う事も納得できる。そして、そうなってしまった以上、彼女を殺めた唯を和はとても責める事は出来ない。むしろ、この唯が親友の命を奪わざるを得なかった。そして実際にこの手に掛けた時の彼女の心情を考えると、とても居た堪れない。と、和は考えただけで心臓が破裂しそうな気持ちになる。
唯の事を考えれば、むしろその役は自分が受けるべきであったと和は思う。
唯も辛い告白だったのだろう、再び泪を和の胸の中で流す。憂も唯を抱き締めて、姉の為に泪を流していた。
梓は唯の告白に頭が混乱し、先輩(りつ)を突然失ったという、余りに現実離れした信じ難い話に実感も湧かず、どうしていいのか判らずに、ただただ呆然とするしかなかった。
だけど彼女も唯を糾弾する様子は無かった。唯の人となりを知っている彼女にとって、そんな事は出来る筈も無かった。
だが、即ちその事実は、実質的に彼女達のバンド≪放課後ティータイム≫の完全なる復活の可能性の消滅を意味し、その事実に目の前が絶望で真っ黒に染められていく。
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