124:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/10/24(月) 06:29:50.00 ID:SwfAnpwf0
灰都(はいと)。
正式な名称が判らないこの世界を、唯達はこの様に呼ぶ事にした。
そして、最初に跳ばされてから八日後、唯、憂、和、梓の四人は再びこの忌まわしい世界に跳ばされていた。
そこに居るだけで不安を掻き立てられる白に近い灰色の空、灰色の大地、灰色の半壊した建造物がそびえる、荒廃した世界。
唯達は、あれから出来る限り一緒に居る様にしていたので、今回は四人ともほぼ同じ場所に跳ばされる事が出来ていた。
梓「唯先輩、大丈夫ですか?」
梓が心配そうに唯に声を掛ける。最初に跳ばされて以降、唯は笑っていても何処か影がある様に梓は感じていた。梓自身、あの事には相当なショックと喪失感を感じていて、今なお完全には立ち直れていないのだから、直接の当時者である唯の心境を想像しただけで胸が強く締め付けられる。
<唯先輩を、ここにいるみんなを護りたい……>
あの時以降、梓はまるで何かに追い立てられるかの様に、そう思う様になっていた。
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