161:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/11/05(土) 10:13:49.03 ID:0NUq2lV70
だが―――。
紬「あら、梓ちゃん。まだ生きていたのね。すごいわぁ、ちょっとびっくりしちゃった。ふふ、その生命力、おぞましい這いずる姿、まるでゴキブリみたいだわ」
梓の姿を発見し、ゆっくりとした動作で近づきながら、紬は最後の力を振り絞って正に必死に這いずる梓に、蔑みの視線を浴びせかけ、穏やかだが、どこまでも残酷な笑みを浮かべながら、さも面白いものを見付けたかの様に言い放つ。
梓「…………」
見付かって終(しま)った。そうなるのは判り切った事なのに。やはり紬はそこまで甘くは無かった。これでは唯達にとんでもない≪危険物≫を送り届ける様なものだ。それなら、ここで最期を遂げた方が良い。唯達に自身の最期と、紬の事を伝え、そして彼女達の忠告を無視してこんな事になって終った謝罪がしたかったが、残念だがそれすらもう叶わない。
梓はそう覚悟を決め、その動きを止める。後は紬に止めを刺されるか、ほっとかれて自然に息絶えるかだけだ。
梓は紬の言葉を無視しつつ、目を瞑り、その時を待つ。
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