176:一年中が田上の季節[saga]
2011/11/20(日) 15:09:06.30 ID:ClHRfGVM0
梓「憂も…ごめんね…へへ…私…先輩達が卒業…したら……憂と私と…あと純…で…新し…いバンドを組み…たいって思って…たんだ……」
憂「梓ちゃん。今からでもいいよ、三人でやろうよ。純ちゃんだってきっと喜んで一緒にやってくれるよ。だから、お願い……」
憂が、泪でくしゃくしゃになった顔で、必死に梓に呼び掛ける。梓は、そんな憂(しんゆう)にとても嬉しそうに、微かに笑って「ありがと」と、微かに聞こえる声で言葉を返す。
梓「唯センパイ……先輩達とバンドを…組めた期…間は短かったけど…文化祭のライ…ブ本当に楽し…かったです……かはっ――!」
梓はもう幾度目かの吐血をする。唯はもう覚悟を決めたのか、動じる事無く、ハンカチはもう使える状態では無いので、「ごめんね」と断って自身のシャツで血を拭ってやる。
梓「センパイたちには…本当に感…謝していま…す……軽音部に入っ…て本当によかっ…た。今まで…本当に有難…う御座い…ました。また…先輩達の演奏が…聴きたかっ…たです…」
唯「こっちこそ、ありがとうだよっ、あずにゃん。私にギターの事、いっぱい教えてくれたのはあずにゃんだし、みんなとあずにゃんで演奏した放課後ティータイムは、最高のバンドだよ。だからあずにゃんには本当に感謝しているんだよ」
唯は再び梓を抱き締める。顔や制服に返り血が付着するが、律の時と同様そんな事は気にも留めなかった。ただ、段々と梓の体温(いのち)が失われていくのを感じるのが、とても悲しかった。
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