178:一年中が田上の季節[saga]
2011/11/20(日) 15:13:23.07 ID:ClHRfGVM0
「真鍋…先輩……唯先輩と、憂を宜しく…お願い…します……先輩とはもう…少し早…く、仲良くなりたかっ…たです…」
唯(いとしいひと)のぬくもりを感じながら梓は今度は和の方を向いて、泪と血にそして誇りに塗(まみ)れた顔で残念そうに言った。唯と憂がこんなにも慕っている女性(ひと)の事をもっと知りたかった、仲良くなりたかったと言う思いがあった。もう、目がかなり霞んで輪郭と眼鏡位しか解らなくなっていたが、和の顔を見て改めて強くそう思った。
和「そうね。私ももっとあなたと仲良くなりたかったわ。梓ちゃんって名前で呼べるくらい.…」
和は沈痛な面持ちで、それでも努めて明るい顔を造って梓に応える。
梓「……あ、ありがとう…御座います。う…嬉しいです……まな…いえ、和センパイ……」
梓もそう言って嬉しそうに微笑み返す。
梓「私は…先に逝くけど…みんなは当分の…間…来ちゃダメだから…ね…それ…では…ほんとう…に…さよなら…です………」
唯達を交互に見遣りながら、最後にそう言い残すと、梓は最後を彼女達に伝えられたのが嬉しかったのか、どこか満足げな表情で、事、切れる……。
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