198:一年中が田上の季節[saga]
2011/11/28(月) 02:22:50.00 ID:LTcGETgD0
和「それに梓ちゃんだって、最終的に往かせたのは私の判断。そう考えれば悪いのは私――」
唯「和ちゃんは悪くないよっ!!和ちゃんは悪い事なんか絶対しないよ……」
唯は必死にいやいやする様に左右に首を振る。まるで、和は賢人(おとな)であり全ての罪は自分と言う愚者(こども)にあるとでも言う様に。
和「そう……唯は、弱(やさし)いのね……でもそれだと灰色(あ)の世界では生きていけない」
和は少しだけ唯を憐れむ様に一瞥して更に続ける。
和「だから梓ちゃんの事はみんなが悪いの。私も憂もそして唯(あなた)も。梓ちゃんも含めてね。だから、あなたが一人で抱え込む事は無いし、私にしてもそう。これは皆で決めた事。私達は喜びも悲しみも皆で分け合えばいいの」
和「だから唯」
和は唯の頭の後ろに手を添えて、そのまま唯を引きこみ彼女の顔を自身の胸の辺りに押し込む。唯は刹那ちょっと驚いて目を白黒させるが、大人しく和にされるがままになって身体を、そして心を預ける。
和の程良い胸の柔らかさと温かさが今の唯にはとても心地よかった。心が安らぐ感じがした。
和「悩んでもいい。苦しんでもいい。でも、自分を追い詰めないで。痛め付けないで。私と憂の為にも自分を大切にして……」
和の何処までも温かく、何処までも慈愛に満ちた言葉が、唯の心に沁み込んでいく。
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