232:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/11(土) 21:27:52.33 ID:laIihRtQ0
唯の鋭い剣戟を澪は余裕の表情で躱(かわ)し、逆に唯の隙を突いて打ち込んで来る。
澪の手数そのものは律のそれよりも圧倒的に少なく、剣速も剣圧も律と同等か、もしかしたらそれ以下なのだが、剣筋は遥かに鋭く的確に唯の隙を突いて来るので、律の時よりも遥かに防御に神経を使わねばならなかった。
唯はそれでも澪の剣を潜り抜け、彼女に精一杯の剣を打ち込む。だが、そんな攻防を繰り返す程に唯の精神は絶望的なものになっていく。
それもその筈で、唯が両手で剣を持ち全力で打ち込んでいるのに対し、澪は片手、それも左(きき)腕ではない方の手で刀を振るっているのである。
もし彼女の気が変わって、本気で来られたらと思うと、情けない話ではあるが気が気では無かった。
唯<澪ちゃんが余裕(あそん)でいる内にどうにかしないと!>
唯は焦りを覚えつつ、だが、どこか息苦しさを感じて澪と少し距離を取る。
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