過去ログ - 和「ジーニアス?」
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245:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/12(日) 09:38:50.73 ID:TJosBorb0
 

 既に唯に生きているのが不思議な程の充分過ぎる――致命傷――を与えているにも拘らず、澪は更に唯の指を切断し、胸部に刀を突き刺していた。

 だが、澪にしてみれば、そんな執拗なまでの加虐を以ってしても、その恨辛の念はそれでも全く晴れず、唯(そ)の身を細切れにしても収まらない程だった。


 それ程までに澪は唯を、そして律のいない世界(すべて)に絶望し憎悪していた。


 その世界を終わらせようとする、『秋山 澪』と言う巨大で冷たい火山はどれ程の極冷の憎悪(マグマ)を撒き散らし、どれだけのモノを極寒の溶岩(うみ)に呑み込んでいくのだろうか。

 そして澪は唯の胸から凶刃(かたな)を引き抜くと、「ああ、そうだった」とたった今思い出したかの様に制服のポケットから小型のビデオカメラを取り出すと、それを唯の顔が映る位置に置く。

 澪「はは、この時の為にビデオカメラ(これ)を使いたいって言ったらさ、ムギがくれたんだよ。お前の最期を撮ってやろうと思ってさ。どうせ撮っても暫くしたら消えちゃうだろうし、私もそんなもの視たくも無いけどさ」

 澪「でも、運が良ければお前自身が消えても画像が消える前に、もしかしたら和達に視て貰えるかもしれないと思ってさ。えぇ唯?お前もその方がいいだろ?感謝しろよ唯。私の優しさにさ」

 澪「私は律の最期を看取ってやる事すら出来なかったんだ。それに比べれば遥かに幸せな最期だよ。お前は本当に幸せ者だよ唯」

 澪は『それ』を見るもの全てが悪意に満ちていると思う様な笑みを浮かべ、カメラの録画ボタンを押す。


 
 




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