265:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/16(木) 06:37:20.67 ID:rgrfq0Mm0
憂「和ちゃん。ノド乾いたでしょ。ビールとか飲んだらいいよ」
憂が沢山のモノが泪と共に流れ落ちたかの様な何処かさっぱりとした表情で、本人にそんな意識は無いのだろうが、ナチュラルにダジャレ紛いの事を言いながら、和にテーブルに置かれたままになっているアルコール飲料の缶を勧める。
和「ありがとう憂。でも、今はいいわ。あなたが飲みなさい」
憂と同じ様な顔で和が答える。が、そう言われた憂はその言葉に軽く首を振る。
憂「ううん。飲みたいのは山々なんだけど、残念だけど今は飲めないんだ……ほら……」
そう言って憂は缶ビールを掴むとそれを自身の顔の高さまで掲げる。その瞬間。缶はこれ以上無いと言う程に拉(ひしゃ)げ、中身は飛び出した瞬間にジュッと音を立てて一瞬で全て蒸発してしまう。
和「…そう憂もなのね……ふふ、私もよ」
和は苦笑気味に憂に言いながら、彼女と同じ様に缶を右手で掴む。その瞬間。今度は缶そのものが溶け失せて、当然だがその中身も刹那に消え失せていた。
巨大な火山は澪だけでは無かった。ここにも二座、『それ』は聳(そび)えていた。
静謐な佇まいの奥深くで凄まじいまでのエネルギーを溜めに溜め込んで、噴火寸前で辛うじて押し留めている。そんな巨大な活火山が、二座。『そこ』に在った。
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