268:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/16(木) 06:40:58.65 ID:rgrfq0Mm0
澪「ほう。大したものだな和」
澪は本心(こころ)から感心した様子で感嘆の声を上げながら、それでも悠然とした態度で和を見やる。
和「澪……決着を付けましょう」
抑揚の無い。だが有無を言わさぬ口調で澪に言い放つ。最早、彼女と無駄な話をする事は何もないとでも言う様に……。
澪「それは私とお前のか?」
和「ええ。それに憂とムギもよ」
澪は和の顔をまじまじと見やる。一見、無表情に見えるその表情(かめん)の裏に、一体どれ程のドロドロとした黒く紅い情念が隠されているのか、澪は計り兼ねていた。
澪「……判ったよ、和。決着を付けよう。お前にとっても私にとっても、そしてムギや憂ちゃんにとっても、もうこのままでは居られないだろうからな……」
和「ええ。その通りよ。私達はもう、元には戻れない」
刹那。和の表情に翳りの様なものが差すが、すぐに元の表情に戻る。
だが、和自身はそんな自分に戸惑いに似た気持ちさえ覚える。目の前の黒髪の麗人は、最愛の幼馴染を惨殺し、その存在を奪った仇(あくま)であると言うのに……。
332Res/270.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。