269:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/16(木) 06:41:51.12 ID:rgrfq0Mm0
あの時、画面には唯の胸の上辺りまでしか映っていなかったが、彼女の様子や表情、発声から、彼女が必要以上に傷つけられ、蹂躙され、しかもそんな彼女の無残な姿を和達に見せ付ける為に、そして唯自身を更に苦しめる為に、わざとすぐに死なない様に、そして必ず死に至る様にしたのは明らかだった。
澪の対する憎しみの念は勿論有るし、湧き上がる復讐心は今も湧き続けている。だが同時に、この世界に於いてはそれらを押さえ付け、留まらせる理性(フィルター)の様なものも存在する様に思えた。
現実世界に於いては、ジーニアス持ちにはその様な激情を制御する力が作用しているのではないか、と和は思っている。現に自身もそうだが、目の前の仇(みお)もこの世界では決して唯を手に掛ける様な真似をしなかった事からも、それは充分に考えられ事だった。
全ては、<灰色(あ)の世界で決着(ケリ)を付けろ>とでも言う様に……。
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