276:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/16(木) 06:52:25.29 ID:rgrfq0Mm0
紬「あら、和ちゃんじゃなくて憂ちゃんなの?」
紬は目の前で、それだけで自身の躯を貫かれそうな程、鋭い視線を送り続けるポニーテイルの少女を見遣りながら意外そうな声を上げる。
幼馴染よりも肉親の仇。それも憂は明らかに姉依存(シスコン)の気があったので、憂はきっと澪の方に往く事を望み、和もそこは譲るであろうと紬はそう踏んでいた。
紬「てっきり、憂ちゃんは唯ちゃんを斬り刻んだ澪ちゃんを殺りに逝くと思っていたのだけど……」
紬は未だ不思議そうな表情で首を傾(かし)げる。
憂「澪さんの事は和さんにお願いしました。あの人なら必ず、お姉ちゃんの仇を討ってくれるでしょうから……」
憂「それに私は、梓ちゃんを手に掛けたあなたも絶対に許しませんから……」
憂は再び紬に鋭い視線を向ける。
憂「ですから、私のやるべき事はただ一つ。あなたを打(ぶ)ち殺して、梓ちゃんの、そしてあなたに消されてしまったであろう、他のジーニアスの無念を晴らす事です」
憂はそう宣言すると、右の拳を顔の辺りで握り締める。その瞬間。彼女の廻りの大気まで握り潰されたかの様に紬は感じた。
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