304:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/20(月) 12:41:12.78 ID:vVfaUcFf0
和<やっぱりキレイね。この娘は……>
黒銀に煌く刀標『カタリナ』を携え、白銀に煌く六枚の翅に彩られた麗しき黒髪の少女に、和は半ば見惚れ、心奪われながらも何処か郷愁に駆られる様に心の中で呟く。
和<でも――――>
この級友であり友人でもある目の前の少女は、悪魔の王の化身であり、大切な幼馴染を手に掛けた幾ら憎んでも憎み足りない『仇』である。
和は揺るぎそうになる心を引き締め、じっと仇=澪を見据える。
澪「ははっ。どうした和?そんな突っ立ったままで?まさかここにきて怖気d――――」
ズバァァァァァァァァァ―――――――――――――――――――!!!!!!!
澪が言い終わらない内に、彼女の左側を、高熱を帯びた風圧が通り過ぎる。彼女が其方(そちら)を窺うと、灰色の大地が鋭利な刃物で、まるで薄紙とでも言う様に斬り裂かれ、それは視界から視えなくなる程続き、底もそれと同様、まるで深淵の様に暗闇で見えなくなるほどの深さまで斬り裂かれていた。
『ソレ』を見た澪はそのまま視線を前に向ける。そこには光炎の剣を振り上げた≪スルト≫のジーニアス 真鍋 和の姿があった。
和「これでも私では貴女の相手には役不足かしら?」
和が澪に不遜な貌を見せる。
澪「やるじゃないか和。いや、充分だよ。お前はこの私の相手に相応しいよ。今まで消してきたジーニアスの誰よりも、な」
澪が上から見下げるかの様に斜めに貌を上げ、和以上に不遜な表情で口の端を吊り上げ、にやりと嗤う。
悪魔側と神側。双方のジーニアスの頂上決戦とも言える戦いが、今、この時を以って、その幕を開けた……。
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