51:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/09/18(日) 17:28:57.27 ID:/cIfgQ+m0
澪「なあ和…お前は、その、覚醒し(めざめ)たんだよな。やっぱり……」
和に腕を引かれて教室の前まで来た澪は、不意に和にどこか不安げに話しかける。
和「ええそうよ。大体の事(じじょう)は判っているつもりよ」
澪「そうか……その上で唯の側(ほう)に付くんだよな……」
和「ええ、昨日も言ったけど、私は何があっても唯の味方だから。でも、どうしたの澪?最近のあなたには珍しく弱気な感じね」
昨日は律の様子がおかしかったが、今朝は澪の様子がおかしいと、和は思いながら訊く。
澪「律が…律がスターターだったんだ。まだ決まった訳じゃないけど、かなりの確率でそうだと思う……」
澪は一気に老けこんだかの様にがっくりと肩を落とす。
和「そう…律が…残念だわ」
律の屈託の無い笑顔が頭に思い浮かんで、和の表情も少し曇ったものになる。
澪「…………唯は幸せ者だな。こんなにも、想ってくれる奴が居て……」
不意に澪が、先程までの会話を思い出したかの様に羨ましそうに和に言う。
和「……そんないいものじゃないわよ。それに澪だって………いえ、何でもないわ」
和は律の事を言い掛けてやめた。もし律が本当にスターターだったとしたら。自身の知識が真実であるなら、もう……。だから澪はこんなにも不安げなのか、と、和は納得する。
それと同時に和は、唯をそして憂を失った時の事を想像して、自身も身につまされ暗い気持ちになってしまっていた。改めて彼女達を失いたくないと心から思った。
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