73:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/10/03(月) 09:18:25.89 ID:Ay6ywUVh0
薄い灰色しかない殺風景な舞台に、金属同士がぶつかり合う音が劈(つんざ)き響き渡る。
明王と堕天使の戦いが始まってから、幾ばくかの時間が過ぎようとしていた。尤も攻撃しているのは堕天使の方で、明王はその剣戟をただひたすら防ぎ続けていると言った状況だった。
律の爪剣が何度も唯に襲い掛かる。それを唯は孔雀剣で受け流す。そんな単純とも言える攻防がかなりの時間続いていた。
律の剣戟は、その力強(たくまし)い姿のオセ(ジーニアス)のイメージ通り、迅(はや)く、そして、重いものだった。まともに食らえば、いかにジーニアスの加護を受けているとはいえ、一撃で致命傷を負う事は免れないであろう。
だが、律の繰り出す剣戟(それ)は、甚(いた)く単調なもので、いくら迅く重くても、その動きを見切り受け流す事は明王のジーニアスである唯にとってはそんなに難しい事ではなかった。
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